木ッカケのきっかけ

STORY

2016年にスタートした<東京の森あそび 木づかいツアー>も、2021年で6回目を数えます。
2020年は新型コロナウイルス感染症の蔓延により、学校行事をはじめ多くのイベントが延期を余儀なくされる状況でしたが、<東京の森あそび 木づかいツアー>は10月に時期をずらし、参加者の方々のご協力と蔓延防止策実施により無事に開催しました。
品川区内の小学校3、4年生を対象にした夏休み企画として、<東京の森あそび 木づかいツアー>がイベントを通じて目指しているのは、東京都青梅市成木にて「森あそび」(間伐体験)を通じて東京の森のことを知ってもらい、そこで実際に伐った木材を品川に持ち帰り、「木づかい」(オリジナルの時計づくり)として活用をする循環型の環境学習と遊びです。
毎回、募集人数をはるかに超える多くの応募が寄せられ、回を重ねるごとにイベントの楽しさや環境学習の意義が定着してきているのだろうと実感しています。

この循環型のイベント開催がきっかけとなり、イベント時だけでなく普段から区民のみなさんに東京の木でできた製品を使っていただくことにより、森を身近に感じてもらい、木材製品を使うことで環境問題や保全を一緒に考えていけたらと思い、この度、webサイト<木ッカケ>が誕生しました。

商店街発信の環境問題

これまで品川区商店街連合会では、商店街も地域コミュニティの一角を担う役割を果たすべく、1991年から環境啓発事業に取り組んできました。さまざまな環境テーマがある中、2013年からは当時話題になっていた“間伐材”の有効活用に注目し、商店街という枠組みの中で何ができるかを考えはじめました。
国土の約7割、東京都においては約4割弱の森が存在するにも関わらず「間伐材」という馴染みのない存在を、まちに暮らす人たちに商店街を通じて、どう「ジブンゴト化してもらうのか」考えた結果、環境学習イベントというアプローチでスタートすることにしました。
イベントのスタンスは、「入り口は楽しく」。参加者自身が体験をするワークショップ形式にして、体験の先にある学びや気づきを大切にしていきました。
とにかく最初は、商店街のお店とコラボしながら「商店街連合会主催の環境イベントは参加して楽しい!」とファンになってもらえるような企画を意識して、「東京の森」と「商店街」をどんな付加価値で繋ぐかをコンセプトにさまざまなイベントづくりを続けてきました。

地球温暖化と間伐

1997年地球温暖化防止京都会議(COP3)で、先進国の温室効果ガス排出削減を定めた『京都議定書』が採択されました。京都議定書では2008年から2012年の期間内に先進国全体の温室効果ガス6種の合計排出量を1990年に比べて5%以上削減することを全体的目標としてかかげました。これをきっかけに日本国内でもに環境保全に関する法整備が進んでいくことになります。温室効果ガスのを排出しないように取り組むだけではこの目標を達成できないことはできません。そこで2008年「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」が制定されました。適切に間伐がされない森は温室効果ガス吸収量が下がります。そこで環境対策や防災としての間伐、森林の整備が見直されていきます。
京都議定書の目標期限が迫る中、ポスト京都議定書の枠組みを作る動きがはじまります。先の「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」も期日を迎え、内容の見直しが図られ、2013年に改正されました。私たちが「国産間伐材有効活用事業」に取り組み始めたのもまさにこの年からになります。

 

東京の森あそび木づかいツアー のはじまり

そして、第6弾目の新企画として、青梅市成木で林業を営む中島林業さんとの出会いから、青梅の森へ視察に行き、数時間という短い時間の中で、森の空気を感じ、木に触れ、楽しんでもらうプログラムを一緒に考えながら、<東京の森あそび 木づかいツアー>がスタートしました。
間伐体験の会場となる青梅市成木は、昭和33年に青梅市に編入するまで成木村とよばれていました。「東京」であることをふと忘れてしまいそうなほど、森に囲まれた自然豊かな地域です。江戸時代から青梅の森で育った木々は川を伝い、江戸に多くの木材として搬送していたそうです。
そんな成木と品川区とのゆかりや、間伐体験の受け入れをしていただいている中島林業さん、時計づくりの会場となっている池田元一商店については、今後このSTORYで紹介をしていきたいと思います。
現在では、森あそび(間伐体験)と木づかい(時計づくり)の2dayで構成されている<東京の森あそび 木づかいツアー>ですが、最初は森あそび(間伐体験)のみからのスタートでした。
早朝、品川を出発し一路、青梅市成木へ向かい、午前中は森のことや林業という仕事を学び、食後、いよいよ森へ入り間伐を行います。
汗びっしょりになるほどの体験後に待っている川遊びは、こどもたちも親御さんも楽しさのピークに達します。無事に第一回目のイベントが終わったと同時に、こどもたちに間伐してもらった木材をどう活用するか?という課題に対して、翌年2017年(2回目開催)より木づかい(時計づくり)が加わりました。
実際に間伐した木を品川に持ち帰り、森あそび(間伐体験)の様子を動画で見ながら、森や林業のことを学び、時計づくりへ進んで行きます。
事前に作りたい時計のデザインを考えていただくのですが、木材を前にするとまた違うイメージが湧いてくるのか、親御さんも一緒に試行錯誤しながら作り上がっていく時計はどれも創造的です。参加いただいた親御さんからの声からも、イベントでの時間が有意義であった様子を嬉しく、そしてありがたく感じています。

アンケートにお寄せいただいた感想

【青梅 間伐体験】
・森からの木の流れが理解できてとてもよかったです。
・木を切っている人が命がけで木を切っているのがわかった。
・素晴らしいツアー内容で、本当に息子にとっても素晴らしい夏の思い出になりました。早速、夏休みの提出課題となっている宿題の一日・絵日記として、画用紙で今朝仕上げました!川遊びが印象には残ったようではありますが、よくよく聞くと、「木の皮むき」「木を倒した」ことなども非常に印象深かったようで「山と森のことを学んだ」とも自分で言ってました。間伐という普段接することのない概念について学ぶことができ、とても良い経験だったように思います。このプログラムが続いていくことを祈ってます。
【大崎 時計作り】
・職人さんの技術を目の前で見られたし木の見方もきけて専門家の人に手伝ってもらう工作は深みが違うと非常に満足しています。
・東京にもこんな森林があるんだと驚きました。自然の木にふれてそれで工作して物ができて、記念になりました。

森あそび(間伐体験)と木づかい(時計づくり)を通じて、少しずつ循環していく流れができ始めてきました。そしてより多くの区民の方に知っていただき、一緒に環境問題、環境保全を考えるきっかけづくりになることを目指しエコフェス、夢さん橋、森のクリスマスツリーへと取り組みを広げています。
・クリスマスツリー
2018年~2020年 森のクリスマスツリー
東京の森あそび 木づかいツアーで「間伐した木をまるごと使う」を目的に、材木として製材する際はあまり使われない木の先端部分《こずえ》を利用した、商店街を彩る「森のクリスマスツリー(枝ツリー)」を製作。クリスマスオーナメントは、池上線の旗の台駅と池上駅の改良工事で出た古材「えきもく」を使用ています。

今後は、WEBサイト<木ッカケ>を通じて、東京の森、そこで育つ木材のファン、サポーターが増え、繋がりあえるような情報、体験型環境学習イベントの開催、プロダクツの紹介などなど発信していけたらと思っていますので、どうぞ応援をよろしくお願いします!